修復

歴史的石造物の修復を任せて頂いた事が誇り

 

新たな石燈籠の制作以上に気を使うのが、過去の歴史的石造物の修復。
東日本大震災で被災した建造物再建を始め、各種歴史ある建造物の補修、
再建に携わって参りました。

数多くの石工の中から私たちに依頼頂いた事に感謝しつつも、
歴史の一部を作る仕事は極度の緊張の連続です。

過去の石工の技に学びつつ、培った経験を作品に生かし、
後世に伝えて行くのが私たちに与えられた義務だと自負しております。

歴史的石造物の修復・再建

加藤石材では新たな石燈籠の制作の他に、地震で被害を受けた石造物や、経年劣化により不安定となった石燈籠や石仏、その他の石造物の修復作業にも携わっております。

昔ながらの技法で仕上げる事も出来ます。石造物に関してお困り事がございましたら、是非ご相談下さい。

 

修復

お地蔵様修復

享保年間の銘が有りますお地蔵様の修復のご依頼が有りました。

樹木の伐採中に落ちた幹の一部が当たったそうです。
ご覧の取りにかなりの破損状況でした。

修復できるものか、かなり悩みましたが、作業をする事にしました。

 

不幸中の幸いとでも言いましょうか、破損したパーツが何とかそのまま残っていましたのでパズルのように組み合わせることが出来ました。

ひざのあたりから下は、粉々に近かったので、同じ系統の石の古材を探して新たに作り直すことになります。

頭部や蓮華座、残りの部分を補強して石専用の補修材を使用して修復作業を進めます。

 

最後に補修した部分をもとに、石の色に合わせて
古色を付けて何とか完成しました。

 

お地蔵様修復

 

 

地蔵尊座像の修復

明治時代にお顔やその他が破損したと言う文献が残っている地蔵尊座像の修復のご依頼が有りました。

座像で身の丈が約五尺(約150cm)有る大きなお地蔵様です。

お寺様に調査に伺った際は、まだお顔が接着された居ましたが、加藤石材の工場にお出まし頂いた時には、完全にお顔が落ちていました。

群馬県前橋市の赤城寺(せきじょうじ)様に在りましたので、材料は赤城小松石で、まずその色目や石目に合った材料を探すことから始めます。

それを破損した部分の大体のサイズに切削して修復作業に取り掛かります。

今回は、お顔だけでなく、錫杖と宝珠を持っていたと思われる手の部分も補修しました。

なるべく古い部分を残して傷んだ部分だけを補強補修します。

 

参考になる様な資料を探して作業を進めていきます。

 

 

 

 

お体に接着するまでに形を合わせて補強金具を入れて接着補修します。

最後に古い所と似たように古色を付けて完了です。

明治期より百数十年ぶりに元の姿にお戻りになりました。

 

 

令和4年7月11日 ご無沙汰していた赤城寺(せきじょうじ)様に伺って来ました。

約2年半以上経ちましたが、修復時と同じ姿の地蔵尊にお会いする事が出来ました。

 

石仏の修復

坂東市(旧岩井市)に在る、大変由緒ある浄土宗高聲寺(こうしょうじ)様の阿弥陀三尊像の内の勢至菩薩様のお顔が永年欠損していてました。

 

ご住職さんも心を痛めていたとの事で、今回ご縁が有り修復のご依頼が有りました。

 

 

 

まず、同じ石の古材を大体の寸法に切り出し、ステンレスの芯で補強をします。

次に石材と本体を接着して、修復を始めます。

最後に古色仕上げを施して完成です、三体並べてみるとほぼ変わりない位になります。

相輪の製作

長い間欠損していた、仏塔の相輪を製作させて頂きました。

出来あがったばかりでは、あまりにも色が違うので元から有る笠から下と同じになる様に古色を付けます。

岡倉天心記念館 六角堂前雪見燈籠復元

北茨城市五浦の岡倉天心記念館に在ります六角堂が、東日本大震災の津波により消失してしまいました。

その「六角堂再建事業」の際に、大正期の頃まで設置してあった雪見燈籠も復元しようという事になり

茨城県石材組合連合会より真壁石燈籠伝統工芸士会に依頼が有りました。

脚の製作

受の製作

火袋と笠の製作 火袋と笠は強度を保つため一つ石です。

宝珠の製作

燈籠の製作は陸の上で出来ますが、設置工事は潮の干満や天候に左右されながら海を越えて石を運ばなければいけませんのでかなりの難工事です。

観音像の御顔修復

千葉県御宿に在ります。

天台宗最明寺様からのご依頼で悪戯の為と思われる、来迎観音像のお顔の鼻の部分と光背の一部が欠損していたのですが、修復のご依頼を頂きました。

 

 

御鼻の部分を大体の形に石を削り接着してから整形し、光背は欠片を接着して修復します。

 

 

 

 

最明寺様は、鎌倉幕府第五代執権 北條時頼公が後に出家して最明寺殿と呼ばれていた事に由来するお寺様だそうです。

桜川市役所 真壁庁舎内の燈籠修復

桜川市役所真壁庁舎の玄関フロアーに展示して有ります。

春日形燈籠が東関東大震災の影響で倒壊破損してしまったものを、修復させて頂きました。

宝珠の一部が折れて、笠のわらび手部分と火袋が完全に破損していたものを、修復しました。

笠の部分は修復の跡が来庁した人に分かるように敢えてそのままで設置をしてあります。

 

 

真壁城主累代の墓修復

桜川市真壁町山尾地区の遍照院に茨城県指定文化財の「真壁城主累代の墓地及び墓碑群」大小合わせて40基の五輪塔群が在ります。

この五輪塔群が、東日本大震災の影響で倒壊・破損してしまいました。

この現状を見かねた 真壁石燈籠伝統工芸士会 が平成2年に整理作業をしたり、平成11年には大型の香炉を奉納したりしたご縁もあり今回も修復をさせて頂きました。

 

後から、2基の風空輪(上の宝珠の部分)が完全に破損していて修復不能でしたので、新規に製作致しました。

 

流山市 赤城神社修復

千葉県流山市に鎮座します赤城神社の献燈籠・鳥居・お社等の修復をさせて頂きました。

この神社は、群馬県の赤城山から、神様がこの地に流れついて鎮座した、流山の名の由来となった神社です。

笠・宝珠・台座を新規に製作しました。その他は明治二年の銘が有ります。

古いものと違和感なく製作することが出来ます。

下は大鳥居の解体修復工事の様子です。

桜川市真壁 神武天皇遙拝殿修復

真壁町の中心部に在ります神武天皇遙拝殿(通称 神武様と呼ばれて町の人々に親しまれています。)が、震災の影響で倒壊や破損をした常夜燈・鳥居・忠霊塔の修復をさせていただきました。

 

 

私の家もすぐ近くで、子供の頃から神武様は遊び場だったりと色々な思いが有りますので修復に携われたことを誇りに思います。

日立市 塩竈神社の鳥居・お社修復 

東日本大震災で被害を受けた石造物の修復をさせて頂きました。